うちレベルだと、ありえない高い巨峰がお土産でやってきた。
今、私の目の前には一房、1,500円もする巨峰がある。
なんて立派で美味しそうな巨峰。
「山梨県産」とシールが貼ってある。
ダーリンが栄の三越で買ってきたらしい。
基本、ケチな私はスーパーの598円の巨峰だって買おうか買わまいか散々迷った挙句に、
「やっぱりやーめた」となることが多い。
私がスイーツと同じくらいフルーツも好きなのを知っているダーリンは最近、時々自腹で美味しいスイーツやフルーツを買って帰ってくる。
何故か。
車が欲しいんだって。
けっ。
生意気な!!
「身の程を知れぶ」
「営業車としても使うんだから、小さくて可愛くて小回りのきく軽にしろぶ!!」
道路を走っている軽を指さして、
「アレ!あの車、コロンとしてて可愛いぶひ!!アレにしろぶ!!」
と誘導してみるのだが、やつは聞く耳を持たない。
「一応、俺も見得ってものがあるぶ」
「上司にも部下にも車買うって、もう言っちゃったぶ」
「部下に『新しい車買ったら乗せてくださいよーーー』と言われたぶひっ。てへっ」
何が
「てへっ」
だ。
しらーーーっとしている私とは真逆に、ヤツはウキウキした口調で
「来週、見積もり取ってくるぶーーー」
「今、乗ってる車いくらで下取りしてくれるぶひかなーーー」
「銀行行って定期解約してきていいぶかーーー」
と、勝手に話がすすんでいくーーー。
浮かれているヤツを見ていると、こいつ・・・一度、首絞めてやろうか、と思う。
ダーリン名義の貯金が減るだけだから「ご勝手にどうぞ」なんだけど、老後のことをなーんも考えてない典型だよなーーー、とも思う。
一応、管理しているのは私だから、私の許可がでないと通帳と印鑑はでてこない仕組みになっている。
なのでご機嫌取りに袖の下をちょこちょこと、という訳なのだ。
「ちょっとーーー!!下取りはいいけど勝手に契約してくるなぶひーーー!!」
「わかったぶーーー」
「最終的な契約は私も一緒についていくぶっ!!(余分なオプションとか付けないように見張らないと
いかんぶひっ)」
「わ、わかったぶひーーー」
「あと販売店の担当者にはイケメンを用意しとけぶ!!」
「・・・それはブーに言っても無理ブヒ・・・」
そして私の野望は達成された・・・。
食後に巨峰を食べた。
このブドウが・・・ん百万円の車に化けるのか・・・。
無性にハラがたって、5粒だけダーリンにあげて、あとは私が全部もらう!!
「あっ・・・ブーの分はたったコレだけだぶか・・・」
とーぜん!!
やけくそでバクバク食べる。
・・・悔しいけど、めちゃくちゃ美味しいじゃん!!
粒が大きいだけじゃなくて、深い甘みがある。
さすが百貨店レベルのフルーツは違うね・・・。
全部、食べてやるっ!!
モグモクしながら、
「あっ、そうだぶひ」
「私も欲しいものがあるんだぶひよねーーー」
「・・・なんだブヒ?」
「コンパクトデジタルカメラ」
「オリンパスのだぶ」
「今まで使ってたのはどうしたぶか?」
「だって重いブヒ」
「最近、肩こりがヒドイぶひ。軽いのが欲しいぶひ」
「それは・・・いくらくらいするんだぶ?」
「ン万円だぶ」
「高いぶひっ!」
「はい~~~!?(怒)」
「なんか言ったぶひかあ~~~(怒!)」
「車一台分で
デジタルカメラが何台買える
ブヒかあ~~~~~~!?(怒!!!!!)」
「も、もう寝るぶひ・・・」
勝った!!
コンデジ、ゲット!!
・・・ついでにどさくさにまぎれて、コンデジ代金は解約したヤツの定期預金から払わせてやるぜ。
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